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異分野融合カフェ:第10回訪問インタビュー

株式会社坂本乙造商店 代表取締役社長 坂本 朝夫さん 進化する樹液・漆

No10

株式会社坂本乙造商店 代表取締役社長
坂本 朝夫(さかもと あさお)さん
1950年生まれ

5月27日(月)、うめきた・グランフロント大阪「ナレッジキャピタル」において開催されている「THE世界一展:すごい!ステージ」に、今回のゲストスピーカー坂本朝夫さんが出演されるというので訪問した。講演は2回に分けて行われ、前半は漆の性質や歴史を分かりやすく解説し、後半は伝統産業である「漆」をどうやっていろんな分野の工業製品と融合し、新しい分野を開拓してきたか、ユニークなエピソードをたくさん交えて話してくれた。その内容の一部を紹介する。

漆が持つユニークな性質
No10

まず漆に備わっているユニークな性質を、いろんな視点から10の項目に分けて解説してくれた。例えば、過酷な条件でなければ、漆は6千年以上も劣化しないという、とてつもなく長寿命であること。また、280度の耐熱性があり、酸・アルカリにとても強く、そして絶縁性・抗菌性も備えているそうだ。「漆というと一般には木製に多く塗らていると思われがちですが、実はこれまで一番多く塗られてきたのは金属なんです」と坂本さん。「戦時中は、魚雷や爆弾の内部に漆が塗られていたんです。外部は鋳物で作られているのですが、当時の鋳物は目に見えない細かい穴がたくさん空いていて、それによって中の爆薬が湿気を帯びてしまうんです。それを防ぐために漆が塗られていたそうです。なので日本軍の爆弾は不発率が低かったそうです」。

独自の製品づくりへと経営方針を転換

坂本乙造商店は、1900年に福島県会津若松市に設立した老舗で、最初は漆の精製業を行っており、主に軍需物資として利用されていたそうだ。しかし、終戦とともに漆の需要が急激に減少し、会津若松の地場産業である漆器の卸売業を始めたそうだ。坂本さんは約40年前に3代目社長に就任した。そのとき坂本さんは、「わたしは卸売業には向かないなあ、と思っていました。もう一度、漆を使ったものづくり、職人さんとはバッティングしない、新しい分野での仕事をしたい」と、会社の方針を大きく転換することを決意する。戦前ではミシンや自転車、金庫、鉄道用車両など、いろんな用途に漆が使われていて、再び工業製品に付加価値を与える何かをやりたい、という強い思いがあったそうだ。

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