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異分野融合カフェ:第9回訪問インタビュー

産業技術総合研究所 主任研究員 栗原 一貴さん イグノーベル賞について

No8

産業技術総合研究所 主任研究員
栗原 一貴(くりはら かずたか)さん
1978年生まれ

「受賞できますけど、しますか?」
No9

受賞の知らせは何の前ぶれもなく突然やってきたそうだ―「受賞できますけど、しますか?」と。「ぼくの分野(Human-Computer Interaction)はコンピューターサイエンスの中でも、ノーベル賞からは少し遠いので、狙うならやっぱりイグノーベル賞だろう、という雑談はよくしていました。でも、まさか本当に受賞するとは全く想像していませんでした」と、栗原さんは話す。受賞対象となった「SpeechJammer」は、聴覚遅延フィードバック(話している人の声を少し遅らせてその人に聞かせる)を利用して、しゃべっている人を強制的にしゃべりにくくするシステムで、塚田浩二さん(現 公立はこだて未来大学・准教授)との共同開発によって生まれた。

論文は不採択、インターネットでは大ブレイク

栗原さんたちはSpeechJammer開発後、国際会議で発表するために論文を投稿したものの、その価値が認められず不採択となり、国際舞台で発表する機会を失った。「せめて、ぼくたちがこのような研究をした、ということを世の中にアピールしたくて、あるいは墓に埋める気持ちで、英語論文とPR動画をインターネットで公開したんですよ(動画は栗原さんの個人ホームページから視聴可)。すると、欧米の人がどこからともなく見てくれて、結果的にはすごいブレークしました」。この動画を公開したことがきっかけで、誰かがSpeechJammerをイグノーベル賞候補として推薦し、今回の受賞へとつながった。

身近なテーマに対する研究アプローチ
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栗原さんの研究対象は身近なテーマが中心でバラエティ豊かだ。身近な疑問に対して、どのようなアプローチ、プロセスを経て「研究」というレベルにまで昇華しているのだろうか。「1つは、思いついたことを実現できる実装能力、プロトタイピング能力を磨いていくことだと思います。たとえば、イグノベール賞を一緒に受賞した塚田さんは、自分の研究室が工房みたいで、何でも作れるようになっているんです。思いついたものがすぐに作れないとすごい悔しいから。思いつきと実現、というのをイコールにつなげる努力を怠らないんですよ。素晴らしいなあ、と思います。2つ目は、課題に対する解決法を考えるとき、(振り返ってみると)解決法が一長一短になっている場合が多いですね。解決法として完全無欠に見えるものって、実は一般論的でだれでもすぐ思いつくし、陳腐な場合が多いんですよ。それに対して、ぼくはこれを取る代わりにこれを捨てる、という潔さのあるアイデアにしたほうが、賛成する人も反対する人も議論が盛り上がりやすいし、その後の展開も広がります」というのが秘訣だという。

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