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異分野融合カフェ:第4回訪問インタビュー

ニューリー株式会社 代表取締役社長 井田 敦夫さん ”スキャメラ”でスキャナーの常識と会社を変える

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ニューリー株式会社 代表取締役社長
井田 敦夫(いだ あつお)さん
1952年生まれ

ショールーム「ニュージアム」
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京都府久世郡の本社に常設されているショールーム、「ミュージアム」ならぬ「ニュージアム(=ニューリー+ミュージアム)」を訪問した。入口付近は竹や切り株、石畳などできれいに装飾されている。「これはすべて紙に印刷したものです」というニューリー社長の井田さんの説明に驚いた。どう疑っても本物にしか見えない。実際に触ってみて初めて、確かに紙だと分かる。これらは映画のセットとして使用するために作られたものだそうだ。とにかく軽くて持ち運びが簡単なこともあり、海外での撮影にも実際に使われたそうだ。

次に目に飛び込むのが壁一面を利用した「京都岩倉実相院の床みどり」のスキャン画像。黒光りする床に映り込む新緑が見事に再現されている。実際の場所では撮影が禁止されているが、ここニュージアムではもちろん記念撮影大歓迎、だそうだ。

下請けをやめて自立する道を選ぶ
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ニューリー株式会社は1979年に設立され、現在社員は140名を超える。スキャナーとカメラを組み合わせたユニークな製品「スキャメラ」が、ニューリーの主力製品のひとつだ。しかし、井田さんが社長に就任した約10年前は、企業の下請けである受託開発が中心だった。当時、経済状況が悪かったこともあり、企業からの仕事もどんどん減っていくという厳しい状況だったそうだ。「大手企業から指名があって研究開発を行っているうちに、みんな内側を向いて一生懸命に仕事をする、という社風になっていました」。社長に就任した井田さんは、下請けから脱却して自立することを決断した。そのためには、これまでの社風を変えなければらないと強く感じたそうだ。「みんなに外を向きなさいと口では簡単に言えますが、実際には何をやればいいのか分からない。そこでまずやったことは、社内放送での呼び出しや伝達を禁止しました。つまり、席から離れるときにも自分の居場所をきちんとみんなに伝える、社員同士のコミュニケーションをよりはかる、という基本的なところからスタートしました。電話の取次ぎなどでは、最初はお客さんを待たせてご迷惑をお掛けしましたが、それでも社風を変えるためにやりました」と井田さん。さらに、社員全員で情報を共有するために、経営収支などをすべて透明化したそうだ。

「観察」することで得られた新しいアイデア
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自立すると決めてから、社風や経営方法を変える必要性はあったが、技術に関してはこれまでに培ってきたものがあった。ただ、これまでの技術を集約してオリジナルな製品を打ち出せないかと考えていた。「天井画や壁画をなんとか本物のように撮りたい、という思いが以前からありました。絵画はいくらでもきれいには撮れるのですが、実物とは程遠いものになってしまいます。作家にスキャン画像を見せてもあまりいい評価が得られず、何が違うんだろうと模索し続けました。絵画の展示会などに行っても絵を見ないで、後ろの方から、絵を見ている人たちをずっと観察していました」。そしてある日、人が絵画の表面の細かい個所を見る時に、いろいろな角度から見ていることに気付いた。そしてひとつのアイデアが頭に浮かび、さらに、これまでの技術を組み合わせれば実現できるかもしれない、と具体的イメージへと結びついたそうだ。「すぐに試作して、絵画をスキャニングしてみました。するとびっくりするぐらい品質が変わりました。これだ、と思いました」と当時を振り返る。

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